つくるの種類

製造業、ものづくりの仕事をしています!
というのが我々の超簡単な自己紹介になりますが、「つくる」というのは実に幅広く、場合によっては激しく誤解を生む言葉でもあります。
我々のイメージしてほしい「つくる仕事」というのは工業、工場でガス切断や溶接などを行いながら鉄やステンレスを加工しながら形にしていく仕事です。
これをうちの工場の前で
「つくる仕事」をやってます!
ものづくりが好きな人の入社待ってます!
などと話せばよく理解してくれそうですが、街中の会議室で言っても、誤解やギャップが生まれかねません。
実際、一昨年だったでしょうか。「ものづくりが大好きです!」と目を輝かせてインターンに来てくれた子がいました。よくよく話を聞いてみると、その子は小説を書く(物語をつくる)のが大好きな子でした。もちろんそれも素晴らしい「つくる」なのですが、その子がイメージしていた「ものづくり」と、油と鉄の匂いが漂う実際の現場の仕事との間には、想像以上に大きなギャップがあり、お互いに驚いた記憶があります。
ということで、世界をつくる、様々な「つくる」をまずは把握してみましょう。
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1. 料理する(調理・製菓)
食材の良さを引き出し五感を満たす一皿を「つくる」。食べてしまえば形が消えるからこそ、その瞬間の温度、香り、鮮度に全力を注ぐぎます。 -
2. 編む・縫う(手芸・服飾)
一本の糸や一枚の布を重ねていき服や鞄を「つくる」。着る人の動きや体温に寄り添います。 -
3. 紡ぐ・織る(製糸・染織)
繊維を撚り合わせて一本の糸にし縦糸と横糸を交差させて布を「つくる」。何千、何万という交点が生み出す質感と強度は、人類最古の知恵のひとつです。 -
4. 建てる(建築・土木・建設)
大地に根を下ろし風雨や地震から人を守る空間を「つくる」。その土地の地盤や気候と向き合い、確固たる基盤を築き上げます。 -
5. 醸す・育てる(醸造・発酵・農業)
土や微生物、日光の力を借りて作物を育て酒や味噌を「つくる」。人間が支配するのではなく、環境を整えて時間が生み出す変化をじっと待つ、自然との対話です。 -
6. 鍛える・打つ(鍛冶・金属工芸)
真っ赤に熱した金属をハンマーで叩き強さと鋭さを「つくる」。叩く衝撃で金属組織を締め直し、しなやかさと頑丈さを極限まで引き出します。 -
7. 削り出す・彫る(木工・切削・彫刻)
ひとつの塊から不要な部分を削ぎ落とし内に眠っていた形を「つくる」。木目や石の性質を読み解く、引き算の美学です。 -
8. 描く(絵画・イラスト・グラフィック)
線と色を重ね視覚的な感情やイメージを「つくる」。平面上に光と奥行きを宿らせ、見た人の心にダイレクトに印象を焼き付けます。 -
9. 綴る・紡ぎ出す(執筆・作詞・ものがたりをつくる)
言葉を繋ぎ壮大な物語を「つくる」。頭の中に具現化されたキャラクターが、読者の心を動かし時に人生の指針になります。 -
10. 奏でる・録る(作詞作曲・演奏・音響)
空気の振動を組み合わせて目に見えない感情の波を「つくる」。言葉を超えて一瞬で人の感情を動かします。 -
11. コードを組む(プログラミング・システム開発)
論理とアルゴリズムのブロックを積み上げ、便利な仕組みや体験を「つくる」。物理的な質量を持たずに世界中の人々の動きをスムーズにする現代の構造設計です。 -
12. 調合する(調香・製薬・化学)
目に見えない分子レベルの成分を組み合わせ新しい香りや機能を「つくる」。嗅覚や細胞の受容体にピンポイントで働きかける精密な世界です。 -
13. 作庭する・仕立てる(造園・ランドスケープ)
石や苔、樹木を配置し生きた自然の小宇宙を「つくる」。完成した瞬間がゴールではなく、季節の移ろいや年月の経過とともに味わいが深まっていく、時間を味方につけた造形です。 -
14. 企画する・編集する(プランニング・キュレーション)
情報や要素を編集し新しい文脈や体験の場を「つくる」。つくるを組み上げる、大切なポジションです。 -
15. 育む・つなぐ(教育・コミュニティ運営)
人と人との関係性や安心して挑戦できる空気感を「つくる」。目に見えるプロダクトではなく、人の心の中に自信や信頼という無形の土台を築きます。
どれが上でも下でもなく、どのジャンルの作り手も独自の美学と強い情熱を持ってこの世界を彩っています。
では、そんな多彩な「つくる」の中で、私たちのような機械設備を扱う「製造」には、どんな特長があるのでしょうか。
製造の特長
非自然
我々が手掛ける機械設備の「つくる」にも独特な特徴があります。
まず、自然は相手にしていません。人工物である鉄を基に更に人工で作っていきます。
時間軸とゴール
機械の多くは作り上げることがゴールではなく、作り上げることがむしろ始まり、そこから”使用”が始まることが大半です。
そのため、ピークやクライマックスがどこか、と聞かれると大変難しいのがこの仕事の特長かもしれません。
壊れる
機械以外の”破損”というのは外的要因に起因することが多い気がします。(例えば最高の出来の盆栽を壊すのは 隣の公園からの子供たちのホームラン。パリーン。バカモーン!)
一方機械はというと、なんと自分自身で壊しにかかってきます。
振動や回転、ギヤ同士の摩耗などにより、自分で自分を傷つけ続けます。
非永遠
ということで、設計段階から永久に動く、というのを想定しておらず、壊れやすい所は潔く交換しやすい設計にしてしまいます。
これにより、修理しながら使い続ける、というのを可能にしています。
不自由
アートや小説のように自由ではありません。規格が決まっており、それに沿って作らなければならないですが、その不自由さによって保護されている面もあります。
規格が決まっているため、工具は一つでOK。全く別の設備で行った改造や修理をこっちの設備でも同様に行える等、ある程度の不自由・規格化が機械屋の共通言語となって繋いでくれています。
ということで。
つくるにはたくさんの種類があり、様々な想いによってこの世界は “つくられて” います。
ブラブラと散歩する時にも、そんな “つくる” に思いを馳せながら歩いてみると楽しいかもしれません。