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車の窓

すっかり秋ですね!
久しぶりに車の冷房に頼らなくてよい季節になって、風を感じながら気持ちよく運転できる季節になりました!!

 

車を運転する人なら聞いたことがあるでしょうか?

車内の空気の入れ替えには、4つの窓を全開にするよりは、対角線状に2つだけ、しかも少しだけ開ける方が効率が良いんですって。

 

体感、4つを全開にすると髪がボサボサになるほどの乱気流が起こりますし、全開にした方が早い気がしません?

でも、圧力の関係でそんなことはないそうです。

 

まず、最も効率が良いのは、対角線状に、前は10cmほど、後ろは5cmほど開ける場合です。

こうすると、後席の窓が入口、前席の窓が出口となって、車内全体の空気を押し出してくれます。

入口を狭く、出口を広く取ることが大切です。こうすることで、より強く押し出す効果が生まれます。

 

 

ただし、私の、あなたの体感が「そんなことない!」と叫んでいますよね?

 

まず、4つ開ける場合についての誤解を解いておきます。
4つの窓を全開にした時の、あの爽快すぎるほどの風量。あれは、吹き乱れているだけで、意外と外には出ていません。
内部の空気がくるくる吹きまわっているだけ、という状況です。
そのため、涼しさ、爽快さ、は感じるかもしれませんが、実際には入れ替えという面から見てみると、対角線の方が効率がよいです。

 

次に入口出口の誤解です。
対角線上に開けた時は書き間違えではなく、後席が入口前席が出口となります。
例えば運転席の窓と、助手席後席の窓を開けた時、明らかに前席からも風が流入しますよね。
10cm程度でも頭頂部の髪がふわふわとそよぎます。
ただ、前席の窓は流入と同時に正しく排気もしています。そして、排気の風量の方が多いです。
これは圧力の差と気流によるものです。

1. 走行風による圧力差の利用

車が走行すると、車体の周囲には自然と圧力の差が生まれます。

窓の位置 発生する圧力 役割
前席窓 (出口) 負圧(吸い出す力) 空気を積極的に外へ排出する。
後席窓 (入口) 正圧(押し込む力) 外気を車内に押し込む

2. 気流の生成

  1. 後席窓(狭い入口/正圧)から外気が勢いよく押し込まれます。
    この空気は車内を斜めに横断し、車室全体を貫く「空気の通り道」を作ります。
  2. 前席窓(広い出口/負圧)から、車内の空気が力強く吸い出されます。

この「押し込み」と「吸い出し」の連動が、車内に淀みを作ることなく古い空気を短時間で新しい空気と入れ替える、最も効率的な方法となります。

ちなみに、車体周りの空気分布は以下のようになります。

  • 前席窓の周辺: 車体側面を空気が流れる際に、窓の開口部(特にフロントピラーに近い部分)には負圧が発生しやすくなります。この負圧は、車内の空気を積極的に外へ吸い出す役割を果たします。
  • 後席窓の周辺: 車体後方に向かうに従って、空気は車体と衝突・圧縮され、正圧が発生しやすくなります。この正圧により、後席窓から外気が車内に押し込まれる力が生まれます。

 

※ただし、大前提、車が走っているときに限ります。
街乗り時で信号待ちのときなどは、是非全開にして気持ちの良い秋の風を感じてください!