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コールドスリープ

この一言でピンと来る方、ちょっと話があるので今晩一緒に飲みに、、、

 

全国ニュースにもネットニュースにもなったので、結構広まっているニュースだと思うんです。
もったいぶらずに言うと、Perfumeの話です。
香水ではなく、3人組テクノポップユニット、広島出身のあのPerfumeです。

2025年内を持って、コールドスリープするという発表があり、先日、ワンマンでは最後のライブを東京ドームで行いました。

 

実はこのブログにも数回取り上げさせていただいたことのあるくらい、私の大好きなアーティストなので、今回はコールドスリープとは何かと、今回の休止前ラストライブがなぜ伝説だったか、について書かせていただきます。

 

まず、今回の東京ドーム公演について。
この話をするには、まずは5年遡らなければなりません。
皆さんは5年前何をしていたか覚えていますか?
そう、トイレットペーパーを探し回り、マスクをつけ、ワクチン接種の順番待ちをしていましたね。
コロナ禍が始まったのが2020年でした。
2020年、perfumeは結成20周年、メジャーデビュー15周年を盛大に祝う初のベストアルバムを引っ提げて、ドームツアーをしていました。
2020年2月、その最後の締めくくりにふさわしい大きな”箱”で、東京ドームで2Days公演を行い、見事に締めくくる予定でした。
大盛況に終わった初日、あとは残すのみとなった最終公演!は、開演されることはありませんでした。
国からの要請により、急遽当日、公演を取りやめるほか  ありませんでした。
ファンもPerfumeの3人も、そしてスタッフチームも、悔しい思いをしたあの日が、2020年2月26日。

時を超えて2025年、Perfumeの近未来感を前面に押し出した、架空のSF映画のサントラというテイで発売されたアルバム「ネビュラロマンス前編」。これを引っ提げ全国ツアー中だったPerfume。MCでは「トーゼン後編もあるので、楽しみにしとってね!」と、可愛らしい広島弁で次作の期待を膨らませてくれていました。

悔しかったあの日から5年、5年前に中止が宣告されたちょうど同じ日の同じ時間、2月26日15時前にPerfume公式から発表がありました。

「ネビュラロマンス後編 東京ドーム公演決定」

あの日の悔しさを清算しに行くぞ!
そう言われているような気がして、発売日にチケットを即購入したのを覚えています。
(いや、ただ前編がおもしろくて後編が気になって行きたかっただけかもしれません。)

TVに引っ張りだこだった2008年頃と比べ、今はTVでの露出は少なめ。
確固たる地位を確立したと言えば聞こえはいいですが、流行っているとはいい難い状況での東京ドーム2Days、、、
今のPerfumeに客席を埋められるのか?というのが、当時のファンの中でもささやかれていました。
(だからこそ地方のファンも「私が支えるんだ!」と、休止とか関係なく、当時から東京ドームに行く予定を立てていたんですけどね。)

 

東京ドーム公演を間近に控えた9月中旬、Perfumeからお知らせが。

「メジャーデビュー日、9月21日にPerfumeから大切なお知らせがあります。」

なんだ、なんだ?!結婚か?!
海外ツアーの発表じゃない?
ソロデビュー?
ワンちゃんと一緒に猫ちゃんも飼い始めますよってお知らせじゃない?

そんなことを予想していたファンは、9月21日の発表を聞いて呆気にとられました。

「私たちは2026年からPerfumeを一度 コールドスリープします」

え?は?えー!?
しかも東京ドーム2Daysが最後のワンマンライブになるという。

ただ、Xなどでのファンの反応は驚くべきものでした。驚くほど暖かいものでした。

よく頑張ったね。
遅すぎるくらいでは?
ゆっくり休んで、自分を大事にしてね。

ファンから見ても、Perfume、頑張りすぎ状態でずっと突っ走ってきたのよね。
ほんわかゆる~い3人が、曲が鳴るとバッキバキのダンスを魅せる。MCでは会場を一つに、踊りの苦手な日本人を揺らして飛ばせて、会場をディスコにしちゃう。
それを25年も続けてきた努力をみんな知っている。

しかも、25年前の映像ってのが今でも残っていて、見たことあります?!
なんというか、明言はしませんが、今の方が可愛い。
ダンスの実力、歌唱力、人としての器、そして美しさでさえも、アップデートし続けるすごさよ。
「あんた、まだできるよ。限界じゃないよ。」と、大人に勇気を与え続けてくれています。

全方向に頑張り続けてきた彼女たちに、少しは休息を。
辞めないでー!なんて言う言葉は、自然と出てきませんでした。

 

そんな大事なメッセージを発表した翌日、ついに迎えた東京ドーム初日。
実は前日のタイミングでの休止発表、昨今の転売ヤー対策にもとても有効だったようで、直前すぎて転売ヤーが買えない、売れない。
本来見たかった人が適切にチケットを持っている状態でスタートする、休止前最後のチケット争奪戦。
休止するなら、と少し無理をしてでも来たい人が残りの当日券を買って会場は満員に。

正直、休止発表をもっと早い時期にしていたら、もっと楽にチケットが捌けていたはずなんです。
それをこの直前のタイミングで発表してくれたこと、これは運営がファンを守ってくれたとも言い変えられます。
どこまでもファンに誠実な運営チームもPerfumeらしさだと感じました。

 

そして涙と感動の東京ドーム公演開幕!

 

架空のSF映画のサントラという設定のため、1曲目は誰もがアルバム1曲目に収録されている新曲だと思っていましたが、1曲目から度肝を抜かれました。

なんと5年前、幕を上げられなかったあの日にやるはずだった1曲目から始まったのです!
(5年前の初日は開演されたので、あの日の曲順はわかっていました。)
サントラがどうとか、SFがどうとか言ってられねぇ!まずはあの日のリベンジだ!と言わんばかりの開幕。
この日選ばれた曲、演出はどれもこれも、終わりに向かっていくような雰囲気ではなく、リベンジ、負けてたまるか、Perfumeの世界はまだまだ広がる。というような気迫あふれるステージでした。
5年前のリベンジ、15年前の初ドームでかしゆかのダンスに合わせられなかった映像チームの意地、過去の演出を巻き戻ししたような、コールドスリープへのカウントダウン。
Perfumeらしさと、Perfumeにしかできないことをこれでもかと詰め込んだライブは、まさに伝説のものとなりました。

 

そしてPerfumeのライブの魅力の半分を占める、MCの話をしなければこのブログも終われません!
本来、バッキバキに踊り上げる曲中と、広島弁でゆったりと話すMCのギャップが可愛らしいPerfumeですが(今回もところどころ  ゆるりとはしていましたが)、何度もしきりに言っていたのが、「帰って来るよ」ということ。「3人で死ぬまでPerfumeを続けるためのコールドスリープです。終わるためじゃなく、続けるための選択なので気楽に待っていてください。」ということを聞いて、ほっとして、嬉しくて泣き崩れる東京ドーム。最後のライブがこんなに暖かい空間に、伝説のライブになったのは、月並みな表現ですが、みんなの気持ちが一つになったからこそだと思いました。

 

涙と感動の1日目を終え、笑顔と達成感の2日目を終え、Perfume ZO/Z5 Anniversary “ネビュラロマンス” Episode TOKYO DOME は幕を閉じました。

 

Perfumeを象徴するライブ自体は終わりましたが、TVなどの活動は年内は継続するとのこと。
また、ソロ活動まで休止するわけではないので、完全に見られなくなるわけではありません。

 

ネット上では、「40歳になる3年後に帰って来るのがキリがいいよね?」「5年後、メジャーデビュー25周年で帰って来るんじゃない?」「ライブしたすぎて1年で帰ってきそう」など、いろいろ言われていますが、幸い今の時代は音楽に、映像に溢れています。
この日の興奮を忘れないようにサブスクで聞き続けながら、まずは今回のライブBlu-rayの発売を待とうと思います。