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夢を笑うな?

 

夢を笑うな!

 

誰の声で再生されましたか?
少年漫画やアニメなんかでよく聞く言葉の一つだと思います。

例えばワンピース、黒ひげの「人の夢は終わらねぇ」はニュアンス的には似たようなことを、この場面では言っています。

例えばナルト、火影になる夢を馬鹿にされ続けましたが、努力と友情で夢を叶えました。

 

 

あれ、意外と言われていない? 実際、人の夢を笑っていて、それをとがめて喧嘩にまでなるようなシーンをイメージしていましたけど、そこまでのシーンって意外とない?映画やドラマを含めてもないような気が?

あと思いつくのは映画「ジョーカー」でアーサー(ジョーカー)がコメディアンになりたいという夢を持ちながら、人々に馬鹿にされ闇落ちということくらいでしょうか。

 

というのも、実は先日、居酒屋でこういう場面に出くわして「少年漫画かよ」と思ったのでちょっと聞いてってください。

 

 

出張先で一人で居酒屋に入った時のこと。近くの席の合コン?に来ている男女の話に耳を傾けていました。
どうやら男Aはアラフォーですが、夢を追いかけてバイトで食いつなぎながらボカロPを目指していると自慢げに話しています。
そこへ横やりを入れたのが男B。「こいつアラフォーにもなって仕事もせずに曲作ってんだよ笑」
男Aは黙っていません。「お前、人の夢を笑うのだけは絶対だめだろ!」

なんか、ここから揉めそうな雰囲気だったので、お店を出ました。チャンチャン。

 

この一連のやり取りを聞いて、宿への帰路を歩きながら少し考えていました。
この会話、なぜか男Aに対して違和感を覚えたんです。

 

暴投の話に戻りますが、

「人の夢を笑うな」

 

これってよく聞くし、これ自体に異論を持ったことはありません。
なのに、なぜ男Aに対して違和感を覚えたのか。

 

まず第一に、「人の夢を笑うな」ではなく、「俺の夢を笑うな」だったこと。
仲間のために言う「人の夢を笑うな」はかっこいいですが、自分のための言葉だったら、思い上がりで自己防衛しているだけの喚きになってしまいます。

 

そして第二に、そこまで悪いことなのか?ということ。
人の夢を笑うことが悪いことか?と改めて考えてみます。
まず、今回に限っていて言えば、男Aの同世代の人は、ほとんどが定職について働いています。
夢を追いかけている人も、定職に就きながら、もがいている人が多いでしょう。
それを、やることはやらず、自分の要求だけ通そうとしているように見えます。
やはり世間的に普通の生き方から外れているのだから、せめてその自覚は持って、笑われる覚悟でやらないと。とは思ってしまいます。

つまり、自分を正当化するために聞こえのいい言葉を使っていると感じたんですね。

 

 

では改めて、この人に限らず、人の夢を笑うことは悪いことか?
そもそも、人を笑わせられるほどの大きい夢を持ち、そこへ向かって正しく努力している人には頭が上がりません。
人を笑わせられるほどの夢を持つって、かなり覚悟のいることですし、怖いことだとも思います。
ただし、笑う、というよりも馬鹿にすること、これにはグラデーションがかかっていると思います。
大きく3つに分けてみました。

「悪」悪質な笑い:人格否定、真剣な努力を踏みにじる → これは明確にNG。

「中」軽い茶化し:仲間同士の冗談、ツッコミ → 人間関係次第では自然。

「良」健全な批判:「その計画にはリスクがあるよ」 → “笑う”に見えるが、助言の可能性もある。

この中で、揉めそうなのは一目瞭然、「軽い茶化し」ですね。
人によって笑いラインとブチギレラインが違うと思うので。

まあ、人から言われると少々のことでもイラッと来る人は多いでしょう。
こんな会話があります。

A「俺、ほんと理解力ねーから、猿だから笑」
B「ねー、確かにサル顔だしねー」
A「顔のことは言ってねーだろ!笑」

これはAさんの自虐ネタで収まってます。
ただ、この会話って結構危うくて、成立するにはいくつか条件があると思います。

  • 立場が対等
     → 上下関係があると「イジリ」から「イジメ」に転落する。

  • 信頼関係がある
     → 本気で見下しているわけじゃないとお互いに分かっている。

  • ツッコミや返しができる余地がある
     → 一方的にバカにされ続けると侮辱に変わる。

特にこの「信頼関係」というのが重要で、こういう会話をできるのは、信頼関係ができている証拠でもあり、早く仲良くなりたい人とは馬鹿にされたいと思う、まであります。
目に見えないはずの信頼関係が、まさに目に見えて表現されるのがこういう類の会話なので!

ということで、一応私なりの結論です。

人の夢を馬鹿にすることは、その人なりの愛情かも。

まさか居酒屋の盗み聞きからこんな話になるとは、、、

今後も私の盗み聞きにご期待ください!