ーめぐりー
めぐり逢ひて 見しやそれとも わかぬ間に
雲がくれにし 夜半(よは)の月かな
現代語訳↓
せっかく久しぶりに逢えたのに、それが貴女だと分かるかどうかのわずかな間にあわただしく帰ってしまわれた。まるで雲間にさっと隠れてしまう夜半の月のように。
これは小倉百人一首にも選ばれている、かの有名な紫式部の詠んだ うた です。
私は昨年の大河(光る君へ)を見ていたので、吉高由里子演じる紫式部が幼馴染の道長を想って詠んだのかも!と思うと、たくさんの感情をこの32文字にギューッとつめこむのは並大抵のことじゃないな。と改めて感じます。
1000年の時を超えて、今なお人の心に刺さり続けるものに思いを馳せると、現代の言葉が、現代の歌が、現代の絵が、写真が、動画が、いくつ1000年の時を超えることができるのだろうかと感じて、”今”の儚さを実感します。
そんな大切なこの和歌をメインテーマとして、この夏シーズンに新たなドラマが始まっています。
ちはやふる -めぐり-
言うまでもないほど有名ですが、改めてちはやふるの説明をサクッとしますと、
2008年~2022まで連載された末次由紀先生による漫画が原作です。
そこから2011年のアニメ化、何より有名なのは2016年に公開された映画!
広瀬すずの代表作でもあり、新田真剣佑の「アラタ」は、ちはやふるで演じたキャラクターが由来としても有名。爆発的大ヒット作品です!
ちなみに漫画の方は、少女漫画の皮を被った熱血スポ魂漫画なので、熱いバトルでテンションを上げたい方は是非読んでみてください!!
そんな漫画、アニメ、映画と大ヒットを飛ばしたこの作品が、まさかのリメイク!
かと思いきや、少し違いました。
まず、映画は3部作で「ちはやふる-上の句-」「ちはやふる-下の句-」「ちはやふる-結び-」と、綺麗に “終わった” 作品でした。
その続きというよりは、その後の世代のお話として、元々の主人公の「ちはやちゃん」たちが大人になった後の、次世代の高校生たちのお話です。
私はドラマはあまり見ないのですが、ちはやふるだし見ておくか。という軽い気持ちで1話を見始めました。
なんというか、イマドキの子って感じで、タイパがどうとか、熱心に打ち込むことをしない主人公に困り果てる、ちはやちゃんのお友達のかなちゃん先生。
大人目線で見ると、「うわぁ、きつー」と感じるような、等身大の高校生。こういう子いるよね、嫌だよね。という典型的な子が本作の主人公です。
こんな無気力系タイパ女子が「ちはやふる」の主人公できんの?
と思っていましたが、そこは心配なかったです。
話が進むたび、来週が待ちきれなくなるほど、どんどんのめりこんでしまいました!
やはり「ちはやふる」の一番の魅力は「熱さ」だと思います。
読者・視聴者の大半がルールもわからない「かるた」というものを題材にしながら、得体のしれないスポーツ?文学?に青春全てを賭けて挑む高校生たちに、いつのまにか心揺さぶられています。
また、今回は高校生だけではなく先生たちにもスポットがあたっており、あの頃かるたに夢中になっていた高校生が、今度は先生になって教える立場として帰ってきていたり、友人、ライバル、両親等、様々な人の想いが「めぐる」ことを題材にしています。
そんな作品を彩る大切なものがもうひとつ。音楽です。
映画シリーズから一貫して主題歌を担当していたのはPerfumeです。
「FLASH」「無限未来」はMステで聞いたことがある方も多いんじゃないでしょうか?
今回のドラマシリーズの主題歌も同じくPerfumeが担当しているのですが、その曲がまた最高に良いんです!
「巡ループ」
この変換が絶対一発で上手くいかない名前の楽曲が、聞いていたら自然と涙が出てきそうなほどの心に響く歌詞なんです。
ドラマ同様、いろんな思いがめぐっていく、という内容なのですが、
今までのちはやふるシリーズ、だけじゃなく、7~10年も前に自分がやっていたことも思い返しながら聞くと、成長した、だけじゃなくて、いろんな人に生かされているな。と感慨深くなる歌詞です。
更に、Perfumeをずっと知っている方なら、あー!と思える仕掛けもたくさん。ダンスも歴代のちはやふる主題歌の振りが踏襲されていたりします。
日本中、世界中がコロナに突入したあの日、国からの指令で急遽当日コンサートを中止した2020年2月26日の東京ドーム。
perfumeは今年で結成25周年、メジャーデビュー20周年です。
あの日から5年ぶりの東京ドームで周年の締めくくりを行います。
これもまた「めぐり」だなぁ。と感慨深いです。
生い立ちだけでドラマのようなperfumeと、現実よりも現実的なドラマの ちはやふる-めぐり-
二つとも追いかけたらきっと、最高の秋になりますよ♪
ちなみにこのブログの更新日の本日、9月10日22時からは ちはやふる-めぐり- 最終回!
絶対見てくれよな!